《MUMEI》 誘いの手「ねぇ、ミナ」 「えっ。…あっ、アキ…」 ミナの顔が一瞬曇った。 今時のギャル風の女子高校生二人が、ミナに近寄ってきた。 「何よ、どうしたの?」 ミナは声を潜め、構える。 「冷たぁい。何、その態度ぉ」 チャラけた声に、ミナの眼がつり上がる。 「…やめてよね。アンタ達との付き合いは、終わったんだから」 「ひどっ〜い。ヤダね、ユマ」 「うん、ヒドイよミナ。中学時代、あんなに仲良かったのに」 「…うるさいなぁ。言いたいことがあるなら、ハッキリ言って。マカが戻ってきちゃう」 今は放課後。 教室の掃除当番だったミナと、日直だったマカ。 ミナは掃除中で、マカは日誌を担任に渡す為に教室を出て行っている。 「マカ、ねぇ。あんなのと付き合ってて、何が楽しいの?」 アキが鼻で笑うように言うと、ミナの眉間のシワが深くなった。 「マカの悪口を言うな。それより用は何なの? 早く言ってくれないと、ムシするけど?」 「あっ、そうそう。今晩、ヒマ?」 「ちょっとしたお遊びするんだけど、ミナも参加してよ」 「クラブなら行かないし、合コンもしない」 「違うって」 「そんなんなら、ミナ誘わないって」 次へ |
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