《MUMEI》 けれど高校受験を前に両親と和解し、高校ではマカと出会ったことにより、今のミナになった。 アキとユマは中学時代の悪友。 高校からは同じクラスになることもなかったし、あえて自ら声をかけたこともなかった。 なのに今更…。 「ミナ? 手が止まってるわよ」 「あっ、ああ。ゴメン…」 マカは首を捻り、ミナの額に手を置いた。 「…熱はないみたいね。でも勉強疲れが出たかしら?」 「そっそうかな?」 「そうよ、ここんとこ詰め込みすぎたわね。…んっ、掃除は私が代わるから、ミナは休んでなさい」 「でっでも…」 「いいから。具合が悪い時は、甘えなさい」 そう言ってマカはホウキをミナから受け取った。 「それじゃ、私が掃除代わるからね! ちゃっちゃと終わらせて、早く帰りましょ!」 クラスメート達に聞こえるように言って、マカは掃除を始めた。 クラスメート達もマカに言われては、早く動くしかない。 そんなマカを教室の隅で眩しく見つめるミナ。 いついかなる時もミナの味方で、優しくしてくれるマカ。 だからこそ、自分は闇の中から抜け出せたのに…。 きっと今夜行かなければ、明日からしつこく付きまとわれるだろう。 となれば、昔の自分の過ちもマカに…。 ミナは唇を噛んだ。 前へ |次へ |
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