《MUMEI》 『え?ラント修道師 様?』 ジェルマはラント修 道師を見上げる。 ラント修道師は、ジ ェルマの首に掛かる ロザリオを手に取り 囁く。 『このロザリオに誓 いましたよね?ジェ ルマ?忘れてしまい ましたか?』 ジェルマは、はっ! として、慌てて左右 に首を振る。 『いいえ、ラント修 道師様!…いいえ… 忘れてなど…』 『そうですよね?ア ナタは聡明な修道士 なのですからね?』 …そうだ、僕は修道 士なんだ…ラント修 道師様の言われる様 に、修道院で祈りを 捧げるのが一番なん だ…今までの様に、 穏やかに静かに… ーでも、ケイン!ー ジェルマはケインを 見た。 ドアの横の壁に凭れ て、腕組みをして目 を伏せている。 …何も言ってくれな いの?僕は…ケイン と… 前へ |次へ |
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