《MUMEI》 ジェルマの視線を追 ったラント修道師が ケインに声を掛ける 『あぁ、ケイン!ア ナタにも迷惑を掛け ましたね、大修道師 長様の頼みとは言え ジェルマを託されて さぞや迷惑だった事 でしょう?』 『え?大修道師長様 の頼み?』 ジェルマは驚き、ケ インを見た。 『…!』 ケインは、壁に凭れ たまま、瞳を開けた …この男、余計な事 をベラベラと喋る。 『ラント修道師!』 『あぁ、はいはい、 すみませんね、ケイ ン』 ラント修道師は、悪 びれる様子も無くジ ェルマに話掛ける。 『兎に角、ジェルマ 私は1週間、このメ モのホテルに滞在し ますから、私と一緒 に帰る決心が着いた ら、来て下さいね。 待っていますよ、ジ ェルマ修道士?』 そう言って、ジェル マを抱き締め、メモ と…ケインから見え ない様に、ジェルマ のポケットに手紙を 滑り込ませた。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |