《MUMEI》 セキュリティ室「着いたぞ。」 そう言って下ろされた俺は、 目の前の光景を見てあんぐりと口を開けた。 「ったく、何ぼーっとしてんだ。 早く入れ。」 グレイドはそのまま扉を開けて入ってしまった。 「ちょっと待って下さいよ!」 そりゃぼーっとしますよ。 俺は心の中であっかんべをした。 目の前にある扉。 視界に収まり切れないんだ。 おまけに扉の色は真っ白で、 何やら奇妙な模様と、 怪しげに輝く色とりどりの装飾物がちりばめられている 取っ手も大きく金色で、 とても俺の力では開けられないように思えた。 試しに手を掛けて押して見る。 案の定、扉はびくともしなかった。 前へ |次へ |
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