《MUMEI》

(さて……と……。)



バタ子は、そのドス汚れた心中で今後に向けた思案を廻らせる――…。



(今後はどうしようかしらねぇ…。


会社には居られるはずもないし…


かといって、バイキンマンの奴隷として働くのも真っ平だわ…。)



バタ子は内部告発によって得た謝礼を手に、バイキン組の前から姿を消そうと秘かに目論んだ。



(とりあえず、しばらく何処かに身を隠すとしましょ…。)



バタ子は、外国人らの歩行者の間を縫うように、東京メトロ・六本木駅方面へと歩いてゆく…。



だが――……



その20メートルほど後方で、付かず離れず後を追う男の姿があることに、バタ子は気付くことはなかった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫