《MUMEI》

黒ずくめのスーツに身を包んだその男は、片耳にイヤホンを填めている。



そして男は、襟首のピンマイクに何やら小声で話しかけていた――…。



かび2「今、テレビ局を出ました。かびー…。


…引き続き、尾行をつづけます…。かびー。」



声を吹き込むピンマイクの傍には“菱形の代紋”が輝いている…!



男はバイキン組の構成員――…



…かびるんるん2号だった!




そんな追跡者の影に気付くこともなく、バタ子は鼻歌混じりに意気揚々と歩いてゆくだけだった――…。



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