《MUMEI》 深まるナゾと男たち. 駅へ向かう途中、人混みの中を歩きながら、わたしは、さっきルカさんと話していた内容を思い出していた。 −−−義仲くんのお父様は、冷たくて、こわいひとじゃないわ…。 −−−あまりにもまっすぐで、それゆえに不器用なひと…かしらね…。 彼女が語る、義仲のお父さんは、義仲が言った『冷たいひと』とは、どうしてもリンクしなかった。 …………一体どうして、こんなにも食い違っているのだろう。 それに、 『義仲と、とても似ている』って、 どういうこと?? ひとは、自分に似ているひとを嫌悪すると、聞いたことがある。 …………だから? だから、義仲は、お父さんを嫌っているの? 出口のない迷宮に迷い込んだように、答えのない問題を、悶々と考えていた。 . 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |