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《MUMEI》 「な、何これ！」 押しても引いても扉は開かない。 ど、どうしよう…。 扉の取っ手を握り締めたまま、 途方にくれた。 すると、 「何やってんだよ。」 物凄く不機嫌そうなグレイドが、 扉を開けて顔を覗かせた。 「なんで！？」 「何が？」 「扉、なんでそんな軽々しく開けれるのかなって……。」 それを聞いたグレイドは動きを止めた。 「あ、悪い。 この扉、関係者しか開けられねぇんだよ。」 「…それ早く言って下さい。」 「悪い。 隠すつもりはなかったんだが…。 まあ、とにかく入れ。」 そう言ってグレイドは、 無理矢理俺を中に通した。 前へ |次へ |
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