《MUMEI》 なるほど、と納得。 中は月の光が差し込み、薄暗かった。 僅かに埃臭いが、それでも気になるほどではない。 「うん、やっぱりちょうど良いわね」 「何がよ。アキ、そろそろ説明してちょうだい。ここで何をやるのよ?」 「あっ、そうそう。実はね」 アキの説明はこうだった。 まず一人ずつ、部屋の隅に行く。 そして一人ずつ壁伝いに歩き、前にいる人の肩をタッチする。 タッチされた人は歩き出し、また前の人の肩をタッチする。 タッチし終わった後は、その場で待機。 そうやってグルグルと部屋を回るのだと。 「…それの何がおもしろいの?」 「やぁだ〜。よく考えてみなさいよ。一人ずつ、位置はズレるのよ? だから途中で一人は二つの角を曲がらなければいけない。けれどもし、一人一つの角しか行かなくなったら?」 「そうなったら…」 …一人、増えていることになる。 つまり、ホラーだ。 ミナは言葉に詰まった。 「じゃ、やり方の説明は終了。30分したらケータイのアラーム鳴るから、そしたらオシマイね」 アキはそう言って、各々立つ位置を決めた。 そしてアキ、ユマ、フーカ、ミナの順番になった。 引き戸を閉めても、月の光が窓から差し込むので、足元は見える。 「じゃ、始めましょう」 前へ |次へ |
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