《MUMEI》
拉致監禁
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―――…その頃。



何も見えない真っ暗な空間に、男は身動きできないよう椅子に縛りつけられていた。



鼻を擽るのは、コンクリートと自分の排尿の匂いだけ――…



耳に届くのは、ドブ鼠やゴキブリの這いまわる微かな音だけ――…。



どこかの雑居ビルの地下室らしきその空間には暖房もなく、冬の冷えびえとした空気が澱んでいるだけだった。




おむすび「うぅ……。今日は何曜日だ…?」



カラカラの口内から、かすれた独り言を発したのは、バタ子に見捨てられた おむすびマンだった。

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