《MUMEI》 (くっ…そ…!!) 千葉にボールが回る。 身構える千秋。 マークマンにボールを持たせないよう付くのが1・5ディフェンスの定石。 しかし、 千葉の動作1つ1つに千秋が付いていけない。 千葉の技術が高いこともあるが、 それ以上に千秋の動きが固かった。 すっ… キュキュッ…!! (くっ…) 抜かれる千秋。 しかし、 「ガシッ…!!」 千葉は抑えられる。 3枚目を守っていた椎名に。 (こいつどっから…!?) 「ピッ!!」 審判の笛が鳴る。 9メートルラインからのフリースローだ。 「ナイスディー!!」 一気に盛り上がる赤高ベンチ。 選手たちの士気も上がる。 「何してんだよ千秋?」 「え…?」 「フリースローだぞ。 中固めろよ。」 「あぁ…うん。」 この時、 瞬間的に赤高のディフェンスが6・0の形となる。 千葉のロングを警戒しての形だ。 ここで誰を千葉と対面する位置に置くか。 これが問題だ。 身長のあるユキヒロや峰田か、 反射速度の速い椎名や千秋。 あるいはその両方か。 どちらにしても重要なのは2・3枚目である。 フリースローの場面では関谷、 日高の両サイドは速攻に走りださなければならない。 村木が止める可能性にかけて。 前へ |次へ |
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