《MUMEI》

「…別に好きずきでしょ。」


「バカか。


髪長かったらシューターの体の向き、


腕の角度、


表情読むのが遅れんだろ。


つまり邪魔。


切れ。」


「…」


俺はその言葉を無視する。


「切んのが嫌なら俺みたいに試合中だけ髪結うとか、


翔太みたいにカチューシャつけるとか色々あんだろ。」


「え?
何すか恭介さん?」


「や、
別に翔太のこと呼んだわけじゃね〜から。」


「なぁ〜んだ。」


「…」


「なんだよ!!
ポリシーかなんか!?」














煮え切らない俺の態度に、


恭介さんはイライラしていた。


話すのは怖かったが、


嫌われることが怖くて、


俺は恭介さんに話す。













「俺…
目付きわりぃ〜から…」


「…は?」


「こうやって前髪で隠さないと…」


「お前バカか!?


目付きわりぃ〜って前髪で隠してっから余計にそんな風に見られんだよ!!


そうやって周りと距離置いてるひねくれた考えが余計に目付き悪くしてんだよ!!


もっとあいつら信用しろよ!!


そんなんで嫌いになるとかならないとか、


お前らの仲その程度かよ!?」


「…」


「見えないもんに怯えて、


目の前のもんから逃げてんじゃね〜よ。


両目開けてしっかり見てみろ!!」



























見えないもんに怯えて、


目の前のもんから逃げてんじゃね〜…


か。


全く…


その通りだ…

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