《MUMEI》 四人はくたびれていた。 プレハブ小屋から出た後も何も言わなかった。 でもアキは、ユマとフーカから少し離れたミナの元へとやってきた。 「ねぇ、ミナ」 「何よ」 「前みたいに、一緒につるまない?」 「はあ?」 何を言われたのか、理解できなかった。 もう二人の進むべき道は違っている。 ミナはマカと一緒にいられるところまで進むと決めた。 それがどんな道であれ、マカの存在無しではいられないからだ。 「…悪いけど、あたしにはマカがいるから」 だからハッキリと断った。 「そっか。分かった」 アキはアッサリと引き下がった。 中学時代、このアキのサバサバしたところに惹かれていた。 何にでも行動的で、自信家。 周りがどう言おうと、自分の意思を正しいと思って進んできたアキ。 けれど…人を傷付けることにすら、罪悪感を感じないアキに、ミナは少し恐怖を抱いていた。 高校に入って、マカに出会ってからはそんな恐怖は抱かなかった。 …まあアキとマカの仲が良くなかったというのもあるが。 前へ |次へ |
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