《MUMEI》 廊下でアキとちょっと話すことがあっても、マカは良い顔をしなかった。 元より嫉妬深いと感じてはいたが、アキと世間話をするだけでムッとされてしまう。 そんなマカの感情に気付いたのか、アキもマカに近付こうとはしなかった。 まあ片や教師受けが良く、クラスメート達にも人望の厚い優等生。 片や教師の間でも、生徒達の間でも評判が良くないギャル生徒。 比べるまでもなく、性格的に合わないのだろう。 だからこの誘いは断って正解だ。 アキも何が目的で、元の鞘に戻ろうなどと言い出したのか…。 分からないまま、校門の所でお開きになった。 学校から近いミナは、人通りの多い所を選んだ。 マカが最近、霧が濃いのを気にしていた。 おかしな奴がうろつくだろうから、人通りの多く、明るい所を歩いて帰れと。 できれば夜、出歩かないようにとも言われていてが、今夜は仕方なかった。 ため息をつきながら歩いていると、すれ違った人と軽くぶつかった。 「あっ、ゴメンなさい」 「いえ、ボクの方こそぼんやりしていましたから」 「おや、どうかしました?」 ぶつかったのは、ミナより幼い少年だった。 そして少年には青年が一緒にいた。 「ちょっとぶつかっただけだよ。それよりキミ…」 「はい?」 前へ |次へ |
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