《MUMEI》 「…どーも軽く聞こえてしまうのよね」 悪いけど、どうしてもそこは変えられない。 「じゃっ、とりあえずお試しってのはどお? それでダメだったら、オレも諦める」 …どーしても、このまま引き下がるっていう選択はないらしい。 「…まっ、今ヒマだし、しばらくなら良いわよ」 「マジで? やりぃ!」 本気で嬉しそうな顔をされると、まあ別に悪い気はしない。 …この後のコイツの取り巻き達との戦いの日々は、とりあえず置いておこう。 「じゃさじゃさ! キスしよ〜よ」 いきなりコレか…。 このテンションは、はっきり言ってウザイ。 けれどまあイヤではないし…。 「まあ…良いけど」 そう答えると、わずかに顔を赤くして近付けてきた。 だから眼を閉じて、応えた。 柔らかな唇は、何故かとても甘く感じられた。 「ふふっ…」 大切なモノにでも触れるように頭を撫でられた。 「これからもいっぱいイチャイチャしよ〜ね!」 そのままハグされる。 ………やっぱり犬に懐かれた気分。 でもまあ、やっぱり悪い気はしない。 前へ |
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