《MUMEI》 話し合い. わたしは、話ってなによッ!?と金切り声で叫ぶと、彼女はゆったりと優雅な微笑を浮かべる。 「義仲のことに決まってるでしょう?」 当然のように言ってのける春蘭さんに、わたしは噛み付く勢いでまくし立てた。 「そんな話なら、クラスメイトらしく教室で言え!わざわざ拉致るな!!」 アホかッ!と付け加えた。 彼女は目を細めてわたしを眺め、わたしのツッコミを無視して続けた。 「…義仲はヤクザの息子よ。しかも、日本の裏社会を牛耳る、大きい組織」 「そんなこと、とっくに知ってるわいッ!」 わたしの返事に、春蘭さんは意外そうな顔をして、あらそう?と言ってのけた。 「あなた、それ知ってて義仲に付き纏っているの?」 たいしたひとね…と皮肉って言う。わたしはムカッとした。 春蘭さんは肩を竦めて、話を続ける。 「義仲の家、『櫻鷲会』と、香港黒社会のトップ『白龍社』…わたしの家とは、かねてから、よきパートナーとしてお互いを助け合ってきた。そのふたつの組織は、とても親密な間柄にあるの」 わたしは眉をひそめる。裏社会の話をされても、さっぱりよくわからない。 . 前へ |次へ |
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