《MUMEI》

「……えーと…それと俺が飛ばなくてはならないことにどういう関係が?」


「察しつかねぇのか?

頭わりぃなあ。」


う…だって……。


「この家が通常以上に防備されている理由はな、
俺が王家に仕えているからなんだ。

つまり、王家の機密情報がこの家にあるということ。


だから必要以上にセキュリティを強化しているんだ。


そこで、だ。


そんなにも防備されているこの家に、
何故俺は堂々と入れたと思う?」


俺は腕を組んで、
頭を捻った。


「この家の住人だから?」


「違うな。」


「え!?」


「住人でも下手すりゃ殺される。」


「え…じゃあ……なんで?」


「これだ。」


グレイドは目の前にある、
灰色をした真四角の物体を叩いた。


「?

なんですか、それ?」


「これは認知プログラムだ。」


「認知プログラム?」


「そうだ。」

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