《MUMEI》
Frohe Weihnachten.メリークリスマス
  
「…今日の食卓はクリスマスみたいだな」
「そうなんです、街がクリスマスみたいなんです…まだ一ヶ月も先なのに…」

克哉さんが帰ってきた夜の食卓には、くるみちゃんを迎えに行った帰りにそこで買ってきたチキンやパンを並べられていて、テーブルの上はまるでプレクリスマスのようになっていた。

いつものマーケットへ行くといつも地味だったお店がキラキラにライトアップされていて…。

「うわ〜…綺麗だねぇ…///」
「うん、キラキラなの〜♪」

その周りの通りにも色んな屋台が出ていて…ついつい色々と買い込んでしまっていた。

広場に並んだ屋台や、いつも行ってるマーケットは煌びやかに飾り付けられていて、チキンだったり普段は見ないようなお菓子がいっぱい並んでいる。

まだ11月の下旬でクリスマスまで一ヶ月もあるのに、その町の様子はまるでクリスマス本番の日のようだった。

それを見たくるみちゃんが大はしゃぎしてウサギのように跳ね回っている姿を見ていたら、何だか僕も子供に戻ったようにワクワクしてきた。

「あのね、あのね、これほ…ほしいの〜…かってぇ」
「え…う、うん///」

可愛くおねだりしてきたくるみちゃんに、気付いたらついつい…いつもより多めにお菓子を買ってしまった。

ちょっとだけならいいよね…。

僕も一緒にお菓子を買ってしまったし…。

くるみちゃんもいつもに増して可愛かったし///

だって…普段買わないような可愛い大きなお菓子を抱きしめて、あのつぶらな瞳でウルウルしながらじーっと僕を見つめてきて「おかし…かってぇ///」なんて訴えてきたら…。

「えへへ///お菓子なの♪」

そんな可愛らしいくるみちゃんの姿を見たら、思わずキュンとしてしまった。

…あぁ…あの姿を撮って克哉さんに見せればよかったかもなぁ…。

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