《MUMEI》
運命
私たちの付き合いは、とても順調だった。

職場の仲間にはふたりの関係を知られてしまったが、全く問題はなかった。

むしろ、ふたりでいることが自然。

そんな見方だった。


私たち自身も、自然に一緒にいて、何を話すでもなくても、時間をともに過ごすことを大切にしていた。

お互い、となりにいる。

ただそれだけで、幸せだった。

例えば、背中合わせに座っていても、別のことをしていても、お互いを感じられていた。


『運命』


もし、そんなものが存在するなら。

祐太との出会いは、間違いなく『運命』だった。

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