《MUMEI》

だから何かしら理由をつけては、話から逃げていた。

でもあたしの誕生日、彼は近くの公園で待っていると言ってきた。

来てくれるまで待っているって。

あたしは行きたくなかった。

でも…それまでの自分を振り返って、お互いに別れた方が良いんじゃないかって、思えた。

待ち合わせの時間から、4時間が過ぎていたけれど、もしかしたら本当に待っているかもしれない。

そう思って、あたしは家を出た。

そして公園に行く途中で、騒ぎに気付いた。

近くにいた人に聞くと、暴走してきた車が公園に突っ込み、一人の男の子が轢かれたと言う。

ものすごくイヤな予感がして、あたしは人ごみを押しのけて救急車の前に来た。

そこには…傷だらけの彼がいた。


頭の中が真っ白になって…しばらくは何にもする気力がわかなかった。

でも何とか高校を卒業して、大学に進んで…。

そして決心した。

きっと彼は起きたら別れを切り出す。

だから今度こそ、大人しく受け入れようって。

そう決めたあたしは、彼の看病の手伝いをすることにした。

はんぱなままはイヤだから…最後にきちっと終わらせるように。

いつ起きるか分からない彼を待ち続けるあたしに、周囲は感心した。

けれどそんなキレイなものじゃない。

ちゃんと終わらせる為に、決心が揺るがない為にしていることだから。

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