《MUMEI》 . 義仲は彼女の顔を見つめたまま、ニヤリと笑う。 「邪魔なやつは消すんだろ?だったら、俺はお前を消す」 落ち着き払って言った彼に、春蘭さんは突然、高笑いをした。 「わたしを消す?そんなガラスのクズで?」 これが見えないの?と、小型拳銃を掲げて見せた。 「わたしは銃を持ってるのよ?勝てるワケないわ」 バカにしたように言う彼女に、義仲は冷たく笑って、そうかな、と首を傾げた。 「やってみないと分からないだろ?」 言い切ると、躊躇せず、ズカズカとこちらに近づいて来る。 あっという間に距離が縮まり、さすがに春蘭さんも慌てたようだった。 彼女は、ストップ!!と大声で叫んだ。わたしの首に腕を回し、グイッと銃口をこめかみに押し付ける。 「それ以上近づいたら、撃つわよ!?」 ヒステリックに叫ぶ彼女に対し、義仲は歩みを止めず、撃てば?と、挑戦的に言ってのけた。 「そいつ殺したら、俺も殺るし。それだけのことだろ?」 …………ちょっと!! 『撃てば?』じゃねぇって!! わたし、死にたくないんだけどッ!! ホントに撃ったらどーすんだ!! . 前へ |次へ |
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