《MUMEI》
メンタルヘルスデー
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彼女の泣き声が響き渡る中を歩いていると、

窓からひょっこり、増井と仲間らしきひとたちが顔を覗かせる。


増井はわたしと義仲の姿を見て、どうしたんスかッ!?と、素っ頓狂な声をあげた。


「大丈夫ですか!?ケガは!?」


「おい!!誰か手伝えッ!?」


もうすぐ川崎アニキが来るって!と、義仲にまくし立てる増井の声を聞いて、



わたしはようやく安心したのか、



−−−そのまま意識を無くした。



遠くから、めずらしく焦ったような義仲の、わたしを呼ぶ声が、聞こえた………。





******





−−−そのあと。


春蘭さんの魔の手から、無事に生還したわたしは、


2、3日、学校を休むことにした。


精神的なショックもあったけれど、

なにより、疲れきってしまったのだった。


要するに、メンタルヘルスのためだ。



もちろん、わたしの両親には、香港マフィアに拉致られたことは内緒で。

ホントのことを言ったら、卒倒するに違いないし。



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