《MUMEI》

!??!!!!


体が一瞬ふわりと浮かんだ。


や、やった!


だがその瞬間、
激しい激痛に苛まれる。


「って!!」


どうやら浮いたまま後ろへ進み、
壁に激突したらしい。


「何やってんだよお前は…。」


飽きれた声と共に、
グレイドが俺を抱き起こした。


「す、すみません…。」


「まあ一瞬でも一回で飛べたんだから、
センスは悪くないと思うがな。」


「でもやっぱり難しいです。」


「そうだな……。

お前は無駄に力入ってるからいけないんだ。」


「そう言えば…。」


翼を動かしすぎて痛い気が……。


「空気と一体化した気持ちで、
楽に飛べ。」


そう言ってグレイドは羽音を立てずに飛び上がった。


「凄い……。」


「さあ…早くここまで来い。」


グレイドは俺を見下ろして、
手招きした。

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