《MUMEI》 クールなキス付き合って三ヶ月。 その期間はきっと、恋人同士ならば一番楽しい時期。 なのに…。 ちらっと横を見る。 あたしの方からの告白でOKしてくれた彼は、とても無口で無表情。 全然ふざけなくて、真面目なところに惹かれた。 OKしてくれた時はとても嬉しかったんだけど…。 付き合って三ヶ月。 …付き合う前と、ほぼ変わらない毎日。 今日もデートの後、彼の家で一緒に過ごしているのに、お互いバラバラのことをしている。 彼は買ってきた雑誌を読み、あたしは見てきた映画のパンプを見ている。 …ある意味、同じか。 「はぁ…」 「疲れた?」 「うっううん! めっ眼が疲れただけ」 そう言って慌ててパンプを閉じた。 彼は何も無反応なワケじゃない。 素っ気無いけど、必要最低限の言葉は交わしてくれる。 「今日もいろんなとこ回ったね〜」 「ああ」 「どこが一番楽しかった?」 「本屋」 「…そっそう。欲しい本、売ってたもんね」 「うん」 …てなカンジの会話が日常。 次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |