《MUMEI》

二郎は舞台俳優として主に使われた。

または、凄い端役。
サスペンスで死ぬ人の仕事先の清掃員とか、生徒Bみたいな。


最初はごねてた二郎もそれなりに楽しんでいるみたいで、篠さんの持ってくる仕事が上手かったからだろう……。
素人の二郎が成長出来て尚且つやり甲斐のある仕事をよく話し合って決めてくれた。
で、海外の舞台のオーディションに見事合格。

日本人の演出家による、日本の和を取り入れたミュージカルで、その海外公演であった。
また二郎は着物似合うからやばかった……周りは余計な虫が付かないようにするのは苦労したようだ。

二郎の色香は二郎を知らないと分からない、テレビなんかの二郎は地味に映るだろう。
話して触れて、愛されてから二郎が麗しいと気付く。

普段はぼけーっとしてるだの、オーラが無いだのと周りが言ってるのはそれに気付いていないからだ。

俺としては有り難い。

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