《MUMEI》 一番つらいのは「それだけの事でこの大騒ぎ・・か?」 「・・・過保護」 納得した様子の彩詩を横目に、呟くエミと琴。 「ほら、式夜。あ〜も〜泣かないでよ。」 「泣いてない!!」 「説得力が無いですよ、式夜。」 二人と、一振りの刀は言い合いながら、部屋を出て行った。 「・・・・・・・・迷惑なコンビ・・」 「・・・私より質が悪い。」 部屋は、瓦礫でボロボロになっている上、ベットの上では狩月が気を失って倒れていて、床の上ではボンカーが倒れている。 「誰が直すんだろ・・これ」 「クリエイトフィールドみたいに簡単には直らないだろうしな・・」 二人揃って大きなため息をつく。 「・・・とりあえず、そこの二人を何とかしないと・・マズイよな?」 「あ、私、急用が!じゃ、後よろしく〜〜」 ダッシュで消えていくエミ。 「仕方ない・・・」 小さく呟くと狩月を起こす為に軽く叩く。 「あ・・れ?・・・琴、何があったんだっけ?」 目を覚ましぼんやりと周りを見ている狩月。 床に転がっているボンカーを軽く蹴って起こす。 「いつつ・・」 「はぁ・・・ボンカー、問題起こすなよ。巻き添えを喰らう身にもなってくれ・・」 とりあえずボンカーに目立った外傷が無いことを確認すると、盛大にため息をつく。 「きゅ〜・・ごまの肉〜〜〜!!」 隣の部屋で、のんきな声と共に起きる人物が一人。 「・・・・・・・勘弁してくれ、話のわかるヒトは居ないのかよ。」 頭を押さえながら、再び、大きくため息をつく。 「きゅ?壁が壊れてる。なんで〜?」 こちらに気が付いたごまが狩月たちの側へと寄ってくる。 「色々あったんです・・」 短く答える琴。横には苦笑しているボンカーと良く解っていない様子の狩月。 「そうなのきゅ〜。・・・ところで、お腹空いてない?ご飯食べに行こ〜」 周りの瓦礫をしばらく見ていたごまが、お腹を押さえながら提案した。 「・・・そうしますか。ほら、二人共、行くぞ。」 狩月、ボンカーを促し、半壊状態の部屋を後にする琴とごま。 「・・・いいのかな?」 「ま、いいんじゃね?」 二人の後を追い、食堂へ。 全員が立ち去った後、 「また壊したのか・・経費ギリギリだって言うのに・・彩に言っても、無駄なんだろうなぁ〜・・はぁ・・」 半壊の部屋に一人佇むバンプ。尻尾も力なく垂れ下がり、哀愁漂う立ち姿。誰も見ていないので意味は無いが・・ 前へ |次へ |
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