《MUMEI》

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「将門くんは、わたしの理想そのものだったよ。顔も頭も良いし、正統派なお金持ちだし…正直、その『付録』にグラッときた。でも…」



…………やっぱり、なにか、違う。



そこまで言って、わたしが黙り込むと、将門は淡く笑い、そっか…と寂しそうに囁いた。


「彼氏と、仲直りしたんだね…」


彼の言葉に、わたしは首を横に振る。


「まだ、話はしてないよ」


わたしの答えに、将門は眉をひそめた。そんな彼の顔を見て、わたしは、心配しないで!と言い、ニッと自信ありげに笑う。


「アイツのこと分かってあげられるのは、わたししかいないから」



…………世界中の誰よりも、


わたしは、義仲のことを理解してあげられる。


やくざの息子だろうが、

ひねくれ者だろうが、


どんな人間であっても、


アイツを受け入れてあげられるのは、

わたししかいない。


−−−自信があった。


何てったって、

マフィアの娘に勝ったくらいだしね!



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