《MUMEI》 . 「将門くんは、わたしの理想そのものだったよ。顔も頭も良いし、正統派なお金持ちだし…正直、その『付録』にグラッときた。でも…」 …………やっぱり、なにか、違う。 そこまで言って、わたしが黙り込むと、将門は淡く笑い、そっか…と寂しそうに囁いた。 「彼氏と、仲直りしたんだね…」 彼の言葉に、わたしは首を横に振る。 「まだ、話はしてないよ」 わたしの答えに、将門は眉をひそめた。そんな彼の顔を見て、わたしは、心配しないで!と言い、ニッと自信ありげに笑う。 「アイツのこと分かってあげられるのは、わたししかいないから」 …………世界中の誰よりも、 わたしは、義仲のことを理解してあげられる。 やくざの息子だろうが、 ひねくれ者だろうが、 どんな人間であっても、 アイツを受け入れてあげられるのは、 わたししかいない。 −−−自信があった。 何てったって、 マフィアの娘に勝ったくらいだしね! . 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |