《MUMEI》

(そういえば、ここ最近は仕事仕事でアイツには構ってやれなかったな……)



じきに命を失うことを悟ると、唯一の心残りに、目頭に熱いものがこみ上げてきた。



(糞……悔いの残る最期だぜ……


…まあ、どうせ死ぬなら……。)



―――… ペッ!



おむすびマンは、切れた口内から渇れた唾液を集め、赤い唾を吐きだした…!



それは生への望みを繋げるために、僅かな可能性に賭ける決意の表れだった。



おむすびマンは、目の前にいる筋者をジロリと睨み上げた――…。

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