《MUMEI》

走ってベンチに戻る沖。


「何してんだバカッ!!
今試合なんだよ!?」


「や…
俺もヘアバンド付けようかと…」


明らかにマネージャーを意識しての発言だった。


「バカか!?
お前髪短いだろ!!」


「え?
いや〜、
これでも長い方なんすよ。」


「だいたいお前ヘアバンドなんか持ってね〜だろ!!」


「そうなんすよね〜、
だからリストバンド伸ばして頭に巻こうかと…」


「死ねよ!!


もういい!!


出番!!


関谷と交代!!」


「おぉ!!
待ってました!!」



























「関谷!!
交代だ!!」


「ん…」


赤高のオフェンス時、


椎名が時間稼ぎにボールをキープする。


関谷がベンチに戻り、


「え…
おい…」


沖がコートへ。













「てめぇ関谷ッ!!
逃げてんじゃね〜よ!!」













そう叫んだのは未來だった。













「…」


ベンチに戻った関谷は、


じっと未來を見るが、


何も言わずベンチに座った。


その様子はクロも見ていたが、


クロは表情ひとつ変えなかった。

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