《MUMEI》















「一気に離されましたね…」


「向こうの攻撃テンポが早いからね。
あのセンター中々やるよ。」


「千秋の戻りもそうだけど…
村木は何やってんだよ」


「あのセンターはシュートスピードも凄いけどそれ以上にコントロールがいいからね。


まだ慣れないんじゃない?


強肩とコントロールってのは中々両立しないもんだけど、


あいつの場合は違うみたいだね。」


「またクロさんは悠長なことを…」


「まぁ村木に関しては問題ないよ。


ただああなると千秋には荷が重いかな…


関谷。


ゴーだ。」


「…うっす。」



























クロの考察通り、


海南の攻撃の勢いは古賀が作り出していた。


テンポの早い攻撃を行うことで、


赤高のミスを誘う。


攻撃重視の考え。


それが古賀のハンドボール。


そして、


(相変わらずだな…)


その古賀のスタイルを、


椎名は知っていた。

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