《MUMEI》
繋がる手
「まっ、何はともあれ、コレで終了だ」

「まだ、だと思うけどなぁ」

セツカは入り口の向こうを見た。

そこには不安げなミナと、眠り続けるフーカがいた。

マカが出てくると、ミナが抱き付いてきた。

「マカぁ! ごめんっ、ごめんねぇ!」

抱き付いてグスグス泣き出すミナを、マカはため息をついて抱き締めた。

「…もういいから。それより…」

マカは少し体を離し、ミナの眼を見つめた。

「このプレハブ小屋に関わった記憶を消せ。…覚えていても、ろくなことにはならないからな」

マカの眼が赤く光り、その光がミナの眼に映った。

するとミナの体から力が抜け、そのまま気を失った。

「甘いですねぇ」

「うるさい。それよりそっちも頼むぞ」

「はいはい」

ソウマの手が薄く光った。

そのままフーカの額に触れる。

「このプレハブ小屋に関わったことは忘れなさい。あなたは何の関わりも持っていなかったんですよ」

フーカのまぶたが何度か動いた後、静かになった。

「…これで本当に終了だ。しかし…アキは一体どこからこの儀式を…」

「しかも何だか儀式の本当の意味を分かっていなかったみたいだね。ただたんに、タッチする手が増えるってことがおもしろかったみたいだし」

肩を竦めながら、セツカが出てきた。

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