《MUMEI》 文化祭も近付き、準備も慌ただしくなってきた。 生徒会やスタッフ(実行委員のことをあたし達の学校ではスタッフっていうんだ。)を中心とした学校全体の準備はもちろん、自分達のクラスの準備もあるから、もう大変。 目がぐるぐる回っていた。 「あ゙ー…」 スタッフの仕事が大体片付いて、 「次の仕事があるまでクラスの準備をやっておいで。」 と五十嵐先輩に言われ、自分のクラスに戻ってきたあたしは、ベランダに出て、ボーっとしていた。 「…疲れたなー……。」 暖かい日差しに気持ちよくウトウトとしそうになったとき 「鈴音ー!!一緒に買い出し行こー!!」 元気な声が頭に響いた。 寺塚 由香理(てらづか ゆかり)の声だ。 「なんかねー、割り箸とかが超必要なんだってー!だからヒーヨーに買い出し♪」 「…マジ?」 由香理は有無を言わさず、あたしの手をとると 「んじゃ、行ってきまーす♪」 と、あたしを引っ張りクラスを出た。 前へ |次へ |
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