《MUMEI》 . わたしは彼の腕を引っ張り、顔をあげさせて、目を合わせる。 睨みつけるように、ビックリしている義仲の顔を見つめて、 強い口調で言い放った。 「わたしのことを、あんたが決めるな!!」 義仲はただ、目を見開いていた。 まっすぐ彼を見つめ返して、 わたしは柔らかくほほ笑む。 「あんたがホントに嫌なら、とっくに離れてるよ。覚悟は出来てるんだから」 そこまでまくし立てて、深呼吸をし、 「わたしのことは、わたしが決める」 見くびらないで、と高飛車に言ってのけた。 しばらく、義仲はキョトンとしていたが、 そのうち、吹き出して笑った。 「さすが、璃子。敵わねーなァ!」 おかしそうに笑う彼を半眼で睨み、当たり前でしょ、と答えた。 「あんたみたいなメチャクチャなやつ、面倒見られるのは、わたしくらいなの!」 そこんとこ、分かってんの?と言ってやった。 . 前へ |次へ |
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