《MUMEI》

「はぁ〜」

「どうしたの? ミナ」

「んっ…。中学時代の友達のお葬式って、行くの結構辛いなぁって思って」

マカとミナは制服姿で、アキとユマの葬式の行列に並んでいた。

二人は生前仲が良く、死んだ時期が近いことから、学校近くの葬祭会館で合同の葬式になった。

今日も学校は休みで、葬式は自由参加だったが、来ている者は多かった。

「そうだね…。ミナはアキ達と仲良かったみたいだしね」

「中学時代はね。最近じゃ全然話してなかったしぃ」

話しながら、自分達の番がきた。


焼香ではなく、色とりどりの花を、二人の写真の前に置かれた台に置くというものだった。

大きなパネルに入れられた二人の写真は、満面の笑顔だった。

マカとミナは二本ずつ花を取り、一本ずつ置いていく。

マカはアキの写真の前で立ち止まった。

…アレから調べてみたのだが、アキのことで少々引っ掛かっていた。

アキはあの儀式を行う数日前に、一人の少年と知り合っていたらしい。

その人物はいつも黒い服装で、深くフードを被っている。

そしてその口元にはいつも笑みが浮かんでいたそうだ。

アキはその少年と仲が良かった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫