《MUMEI》
神澤対応策、発見
何かここまで本格的だと


風紀委員会があれば、俺が更生させなくても大丈夫じゃねーか?


最前列の、多分生徒会ファンはともかく


まんざらでもなさそうな生徒も結構見えるし…


今から俺、女子寮行っちゃ駄目かな…


ギュッ


「…」


そわそわする俺の手を、神澤が無言で握ってきた


「何だよ」


神澤の手は、俺よりでかくてなかなか離れない


「嬉しいの?」

「は?」

「女の子、紹介されるから、嬉しいの?」





何だ、そりゃ


「ダメだよ」

「痛っ…!」


無言を肯定と受け取ったのか、神澤が更に力を入れてきた


その時


<言い忘れましたが、高橋君は庶民だし、理事長公認のノーマルですから、女子の紹介はありません>


かなり間を置いて、黒崎先生が補足した


「だとよ」

「良かった」

「いいからもう離せ」

「…」

「は・な・せ」


神澤の耳元で


神澤だけに聞こえる程の小声で、低く、囁く


「…」


神澤は、大人しく手を離した


ジョーカーの時の声で命令すると、聞くんだな


覚えとこ

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