《MUMEI》
中学生椎名
『椎名。』


『はい?』


『今日からお前がセンターだ。』


『え…?』


『お前の方がゲームメイク上手いからな。』


『でも…久司は?』


『古賀には45に回ってもらう。


あの得点力は貴重だからな。


まぁ上手くやれよ。』



























俺がユニフォームを貰えたのは、


3年の春だった。


それまで監督は俺をサイドとして使おうとしていたが、


あくまで俺はセンターに拘った。


サイドならスタメンとして起用されていただろう。


だけど、


1年の頃からセンターとして練習してたのに、


身長が伸びないという理由でサイドに回されるのは納得できなかった。


小さくてもセンターはできる。


それを証明する為に、


俺は数少ない試合のチャンスを無駄にしなかった。


久司の控えという立場は屈辱だったけど、


身長で負けたと思われるのはそれ以上に屈辱だった。

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