《MUMEI》 「椎名。」 「?」 俺は監督に呼ばれる。 「どうだ? 今日の試合… 左サイドとして出る気はないか?」 「ありません。」 「はぁ… お前もつくづく頑固な奴だな…」 「先生もね。」 「…古賀は攻撃のテンポを上げるのが上手い。 それに得点力もある。 そこにお前のスピードが加わればもっと…」 「だから!! 久司が攻撃のテンポ早めるプレーが上手いことくらいわかってますよ!! でも毎回そんな攻めしてるから後半他の奴らがスタミナ切れ起こして結局久司が点取るしかなくなるんじゃないすか!! そうなってから自分を投入してテンポ緩めても遅いんすよ!! 俺がセンターなら久司も他の奴らも上手く使ってフルで戦えるペース配分しますよ!! 仮に負けてる場面でなら久司みたいなゲームメイクは貴重だし、 そういう場面でなら俺もサイドとして出ますけど、 最初っから無茶なペースでやるのは厳しいですって!!」 「はぁ…」 … 監督が理解ない人だったら、 俺はとっくに退部してただろう。 俺はいつも自分の考えを通そうとしたし、 それは監督も同じだった。 どちらが最初に折れるか。 チームの奴らは面白半分で見ていた。 前へ |次へ |
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