《MUMEI》

「よし。
今日は紅白戦やんぞ。」


「ん…。」


「古賀。」


「あい?」


「お前Aチーム入れ。」


「は〜い。」


「椎名。」


「はい?」


「お前はBチームでセンターやってくれ。」













俺がセンターとして試合に出れるのは、


古賀と交代する時か、


Bチーム。


つまりは二軍の試合の時だけだ。













「椎名先輩。」


「ん゙?」


「な…なんか機嫌悪いですね…」


「当たり前だ!!
久司の舐めた態度…
絶対潰す…!!」


「あ…
そ…そうすね…」


「んで?
何か用?」


「いや…
いっつも椎名先輩の作戦通りやると上手くいくんで…
何かあったらな〜と…」













春休み中。


練習試合の予定がなく、


体育館がオールコートで使える日には紅白戦があった。


今日はオールコートということもあって久司も来ているが、


ハーフコートの練習日には久司は全く顔を出さない。


例の彼女と遊んでるそうだ。


春休みになってからの久司のさぼり癖は酷くなった。


いくら彼女が大事でも春休みのたかだか2〜3時間の練習くらい来れないもんかね…


「はぁ…」


俺…
彼女いないからって嫉妬してるだけ?


俺の考えって間違ってんのかな…

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