《MUMEI》
立食パーティー
黒崎先生による風紀委員会の説明が終わると、成瀬先輩が再びマイクを握った


二人がかりとはいえ、変態の相手をしていた成瀬先輩はこの短時間で、かなり疲れていた


<そ、それでは皆さん。今日も、作ってくださった方に感謝して、心を込めて言いましょう

いただきます>


いただきます!!


きっちり胸の前で手を合わせた後、生徒達は、目の前にあるグラスを取り


近くの生徒と乾杯し、食事を取りに移動を開始した


「普通に乾杯じゃないんだな」


よくわかんねーけど、鳳凰学園の立食パーティーはこれが普通なのか?


「観音寺さんが料理長だからな」

「鳳凰寺」

「ここに立ってても料理は来ないぞ」


会長から離れた鳳凰寺は、ステージから下へ降りる階段の手前から、俺を手招きした


その鳳凰寺の横を、相楽と双子がすり抜け、いそいそと、食事を取りに向かっていった


そんなに腹が減ってんのか?


「あいつ等は、会長と副会長の分を取りに行ったんだよ」

「鳳凰寺はいいのか?」

「あれは補佐の仕事じゃない。いいから、行くぞ」

「あ、あぁ」


歩き始めた鳳凰寺の後を、慌てて追いかけた

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