《MUMEI》
立食パーティー2
「高橋を呼ぶと、神澤もついてくるのか」

「いや、」

「そう」


鳳凰寺の質問を俺は否定したのに、神澤は深く頷いた


「そうか、便利でいいな」


鳳凰寺は、神澤を見て何度も頷いた


神澤もまた深く頷く


「て、何俺無視」


勝手に二人で完結するな


「無視では無いが、事実だな」

「何が便利なんだよ」

「生徒が近づかない」


鳳凰寺は、即答した


た、確かに…


俺と鳳凰寺を見て近付いてきた一般生徒は何人もいたが


俺の後ろにぴったりくっついている神澤を見ると、目を丸くし、固まった後


逃げ出した


ダッシュじゃなくて、場の空気を読んで競歩にしたところが金持ちだよなぁ


感心しながら、うまそうなご馳走を、次々と取り、口に運んだ


うまーい!


「俺の肉ー! まだあるかー!」


バーンと、食堂の扉が開いた


ん? 今の声…


「肉肉肉〜!」


競歩ではなくダッシュでこちらに向かってきたのは


女子寮に行っているはずの聖だった


その後、皐月と二年の先輩も戻ってきたが


肉にかじりつく二人と違い、皐月は顔色が悪かった

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