《MUMEI》

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「なんでだよッ!?」


隣のクラスの清水君がいきなり怒り出して、わたしにそう言った。

わたしは、彼の顔を見ながら、なんでって…と、とても冷静に答える。


「そんなの、清水君に関係ないじゃない」


わたしの勝手でしょ、と、さっぱりと言ってのけると、清水君は怒った顔のまま、関係あるだろ!と続けた。


「なんで、他の男とふたりきりで一緒に出掛けるんだよ!?」


「だから、そんなこと言われる筋合いないんだってば」


「筋合いがないって…俺達、付き合ってんじゃん!!」


困惑しながら言った清水君に、わたしはため息をつく。



…………また勘違いして。



わたしは、あのさ…と、呆れたように尋ねた。


「誰と誰が付き合ってるって?」


「俺と仁菜に決まってんだろッ!?」


当然のように返した清水君を、わたしは冷めた目で見つめる。


「付き合ってないでしょ?わたし、付き合うなんて、一回も言ってナイし」


わたしの返事に、清水君は本気でビックリしていた。


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