《MUMEI》 . 「なんでだよッ!?」 隣のクラスの清水君がいきなり怒り出して、わたしにそう言った。 わたしは、彼の顔を見ながら、なんでって…と、とても冷静に答える。 「そんなの、清水君に関係ないじゃない」 わたしの勝手でしょ、と、さっぱりと言ってのけると、清水君は怒った顔のまま、関係あるだろ!と続けた。 「なんで、他の男とふたりきりで一緒に出掛けるんだよ!?」 「だから、そんなこと言われる筋合いないんだってば」 「筋合いがないって…俺達、付き合ってんじゃん!!」 困惑しながら言った清水君に、わたしはため息をつく。 …………また勘違いして。 わたしは、あのさ…と、呆れたように尋ねた。 「誰と誰が付き合ってるって?」 「俺と仁菜に決まってんだろッ!?」 当然のように返した清水君を、わたしは冷めた目で見つめる。 「付き合ってないでしょ?わたし、付き合うなんて、一回も言ってナイし」 わたしの返事に、清水君は本気でビックリしていた。 . 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |