《MUMEI》

.

一瞬の沈黙のあと、ウソッ!と素っ頓狂な声で叫び出す。


「だってお前、俺が告ったら、『いいよ』って…」


狼狽しながらまくし立てた清水君に、わたしは、言ったよ、と頷く。


「でも、『ただし、オトモダチとして』って、ちゃんと付け加えたじゃない」


そう答えると、清水君は目をむいた。


「あれは、『まずは友達から』って意味だろ!?」


わたしは清水君の顔を見ながら、はぁ??と眉をひそめる。


「なに勝手な解釈してんの?『オトモダチ』は『オトモダチ』でしょ?それ以上、進展するわけないじゃん」


図々しい〜と、呆れたわたしはそっぽを向いた。

わたしの言い草に、さすがにカチンときたのか、清水君は表情を険しくした。


「付き合ってないんだったら、なんでデートの誘いにのってくるんだよ!?」


「『オトモダチ』なら、映画や買い物くらい、一緒に行くでしょ」


「じゃあ、俺が『好きだよ』って言ったら、お前、『わたしも』って言ってたじゃん!アレはなんだったの!?」


「『オトモダチ』としてって意味に決まってるでしょ」


飄々と答えるわたしに、清水君は絶句した。

.

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫