《MUMEI》

「分かった。じゃあこの件はアタシに任せて」

「ああ。何かあれば、ソウマを頼るといい」

ソウマを見ると、ニッコリ微笑んだ。

…客、来ないからな。この店。

「ありがと。じゃあ定時連絡は午前0時で良い?」

「ああ、構わん」

「それじゃ、後でね」

アタシは紙ナプキンにお茶菓子を半分包んで、立ち上がった。

「…ちゃっかりしてるな」

「だってソウマの作るお菓子って美味しいんだもん。
これから体力・知力使うんだから、栄養補給しておかなきゃ」

「ありがとうございます」

「ふん…。まっ、カロリー分は働けよ」

「あいよ」


店を出て、細い路地を歩いて、表の世に出た。

外はすっかり夜だな。

さて、マカにはああ言ったが、とりあえずは夕食を食べたい。

焼肉でも行くかな。

近くに学生食べ放題の店があったハズ。

学生証は持ってきたと思ったけど…。

カバンの中をゴソゴソといじっていると、電器屋の前を通った。

ちょうど夕方のニュースを流している。

その内容を耳にして、アタシは立ち止まった。

…マカとさっきまで話していた事件のことをやっている。

今日、新たな犠牲者が出た、と。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫