《MUMEI》

サバサバしている私と、トロトロしているコイツとは何かと一緒にされやすい。

二人セットって何だよ? こんなトロいのと一生はいたくはない。

コイツだってそう思っている。

口うるさく、女らしくない私のことなんて、苦手に決まっている。

なのに何かと一緒にいてしまうのは、やっぱり腐れ縁だろう。

「ん〜っと、う〜んと」

しかし…何故選択問題で悩む?

問題をちゃんと理解していれば、解けるのに…。

「ねぇ、ちゃんと復習した? 私の答案、貸してあげたじゃない」

ほぼ満点だった私の答案用紙を、復習するコイツの為に貸した。

「やったけど…。お前の字、クセ字で見づらくて…」

「よくもそんな口がきけたもんねぇ」

頬をつねって引っ張った。

「うぎゅぅ」

「ろくに問題が解けていない答案用紙と格闘するのがお好きなら、最初っからおっしゃれば良いのに」

「そっそふいふワケひゃなひ」
(そういうワケじゃない)

「生意気な口を…! 高校入試の時だって、さんざん勉強見てあげたのに」

同級生に勉強を教えるのは結構苦労する。

なのにコイツときたら…!

さらにうにーと伸ばす。おお、よく伸びる。

モチみたいにすべすべの肌。…ムカツク。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫