《MUMEI》 さて、こっからが正念場だ。 いざ勇気を出して赤いスイッチに手で触れる。 たが直ぐに引っ込めた。 ああ!! ダメだダメだ! “何があっても黙っておくように” 先程のグレイドの言葉が頭から離れない。 「ったく毎回そうなんだよな……。」 グレイドの忠告が遅いせいで、 バルトンの罠にハマったし。 ピットの時なんか忠告さえ無かった。 おまけにラルフのことをぎりぎりまで言わなかったくせに見つかった途端に攻められて……。 今回だってその忠告はもう手遅れになっている可能性だってあるのだ。 一人赤いスイッチを睨みながら、 また考え込む。 でもまあ…だからと言ってこの状況が好転するわけないし……。 再び赤いスイッチに手を触れた。 意を決して、身構える。 そうして……。 カチリ…… ついに赤いスイッチを押した。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |