《MUMEI》

ウィーン……


その刹那、物凄い機械音と共に、
カメラが作動し出した。


まず、スクリーン上に映っていた俺が消え、
変わりにどでかい目玉が2つ現れた。


それだけでも十分驚きを隠せないでいるのに、
更にその目玉。


瞳が真っ赤だ。


グレイドと同じ、ルビーのような透き通る赤。


我を忘れて、思わず見とれてしまった。


そして次に、そのカメラはしゃべった。


「コレカラ、セキュリティトウロクヲオコナイマス。」
(これから、セキュリティ登録を行います。)


ただし機械音で、
物凄いカタコト口調だが。


スクリーン上に浮かぶ目玉が、
俺を捕えた。


「ソレデハハジメマス。

イゴ、コトバハツツシムヨウニ。」
(それでは始めます。

以後言葉は慎むように。)


はい。


そう応えそうになって、
慌てて口を噤んだ。


グレイドの忠告を忘れるところだった……。

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