《MUMEI》
二度目の一方的な約束
「…ったく、ちょっと遅れたく
 らいでそんな怒んなよなぁ」

「ふざけんな!!僕は…僕はお前
 が誰かに見付かったから、来
 れないのかと思ったんだぞ!
 それなのに、悠一は…」





梨央は下唇を噛み、目を伏せて言葉を切った。


…あぁ、そっか。






「梨央…心配してくれてたんだ
 な。ごめんな」

「ち、違うよ!何言ってんの!?
 勘違いすんなよ!誰がてめぇ
 の心配なんかするか!」

「でも、大丈夫だからな。俺は
 これからもちゃんと梨央のと
 こに来るから」

「人の話聞いてる?
 心配してねぇって」

「はいはい、分かってるから。
 あ、あのさ、明日の13:00〜
 18:00って空いてるか?」

「分かってないくせに…。空い
 てるけど、それが何か?」

「その時間、誰も近付かないよ
 うにしとけよ」






は?こいつ何言ってんの?
誰も近付かないようにって、
まさか……






「ちょっと待て!何?昼間から
 会いに来るつもり!?そんなの
 無理だからね!」

「…何で?」

「見付かるだろーが!」

「だから、"誰も近付かないよ
 うにしとけ"って言ってんじ
 ゃん。それとも、そんなに人
 が来んのか?」

「訪問者なんて来ないけど…」

「じゃあ、いいじゃん。決定」






待て待て待て!ヤバイよ!
このままだと、この間みたいに一方的に約束させられる。






「んじゃ、明日の13:00〜18:00
 だからな!忘れんなよ」

「え、ちょっ、ちょっと待「じ
 ゃあなー」」






悠一からの一方的な約束
…二回目です。

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