《MUMEI》 気分と共に、体が重くなる。 部長は行動的な人で、面倒見の良い先輩。 泳ぎを一生懸命に教えてくれた。 なのに…溺れた挙句に、人口呼吸までさせてしまった。 悪くて体調が優れないという理由で、今の今まで部活を休んでしまった。 もうすぐお盆だから、部活自体が休みに入る。 その前に内緒で一人、泳ぎに来た。 「せっせめて溺れないようにしないと…」 ビート板では早く泳げるようになった。 …それこそ選手より早く。 けれどビート板無しでは、ズブズブ沈んでいく。 ……体重のせい? と思ってしまうぐらい。 「よしっ!」 準備運動は終わった。十分に体もほぐれた。 最初はビート板を持って泳いだ。 ちゃんと泳げた。 「ふぅ…」 今度はビート板を近くに浮かせながら、一人で泳いでみよう。 バタ足で息継ぎをちゃんとすれば、ごっ5メートルぐらいは…! 「うぶっ!」 ところが何度か顔を上げているうちに、体が沈み始めた。 ここでパニックになってはいけない。 冷静に、冷静に…。 「うぶぶぶっ!」 って、やっぱりムリ! 前へ |次へ |
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