《MUMEI》 両手両足をバタつかせてしまう。 これは…ヤバイっ! 「部っ長…!」 頭の中に、部長の困り顔が映った。 人口呼吸の後、目を覚ました私に、 「…ったく。はじめてだったんだぞ」 …って、顔を真っ赤に染めながら言っていた。 その意味がすぐに分かった。 だから申し訳ない気持ちでいっぱいになった。 なのにまた同じことを繰り返してしまった。 「がぼっ!」 あっ、コレは流石にマズイな…。 体の力が抜けていく。 「…のバカっ!」 ぐいっと水の中から引き上げられた。 「がほっ、ごほっ!」 「何度同じこと繰り返せば気が済むんだ!」 「ごほっ…って、部長?」 引き上げてくれたのは、制服姿の部長だった。 「部室に忘れ物を取りに来たら、プールで誰か泳いでいると思ったら…一人で何してたんだ?」 うっ…怒ってる。しかもハンパじゃなく怒ってる。 「おっ泳ぐ練習を…」 「一人でか?」 「…はい」 「このっバカっ!!!」 ひぃっ! …耳元で怒鳴らないでほしい。 前へ |次へ |
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